東京マラソン2021 完走記(プロギング)
2022/3/6、3年ぶり開催の東京マラソン。いわゆるプロギング(ゴミ拾いラン)で楽しみました。
概要
- 日時:2022 年 3 月 6 日
- 場所:東京マラソン2021 フルマラソンコース
- 目的:「東京マラソンでプロギングどうですか?」という呼びかけを知り、「そんな楽しみ方があるのか~」と賛同、楽しんで走れそうと思ったため。「どんなごみがどんな分布で落ちているのだろう?」もちょっと知りたかった
プロギング?=ゴミ拾いラン
- plogging = plocka upp スウェーデン語「拾う」+jogging ジョギング
- 環境美化意識+健康増進に役立つ社会運動として注目されている
実施結果まとめ
- Dブロックからのんびりスタート。ランナー多めの前半は安全重視、拾えるものもわずか。徐々に、背後やコース幅に充分注意しながら、路面や中央分離帯で目にするあれこれを可能な範囲でピックアップ
- 慣れてくると、15-20m先の路面に光るものを見て「はいあれカイロ」と即認識できるまでに #妙なスキル
予想していなかったけれど気づけたこと
- 眺めつづけるのは主に路面…と思いきや、実際は四方八方を見回す道中
- そのおかげで本当に多くの、大会遂行を支える人々(給水所/コース誘導ボランティア/審判員/モバイルAEDスタッフなど‥)がいることに改めて気づけた
拾ったごみの量
- 10Lビニール袋を約15枚使った。満杯に近くなると重くて走りづらいことに気づいた後は、半分くらいたまった段階で給水所のごみ箱へ入れるようにした
ごみの種類
コース上(路上)でよく見られた順では:
- ジェル:多種多様。EXPOで売られていたものをよく見かけた。中身あり:なし 3:7くらい。つまり消費せずに落とされたものも意外と多し
- 不織布マスク:未使用の平たいものも。配られたものを使わず捨てた?
- 貼るカイロ:道路にも強粘着状態で貼りつき。。踏まれたのだと思われる
- 手袋・ネックウォーマー:なぜかグレー・黒系が多かった
感触では(厳密にカウントはせず)上記までで全体の7割。あとは:
- ようかん:17km給水所で給食として配布され、そのしばらく後はよく落ちていた
- カロリーメイトパウチ:特定地点(?km 失念)で配布されていた
- その他アルミパウチ:エネルギー系。ジェルと同じく、中身あるまま落とされたものも結構あった
ランナーが捨てたものより、普段走行する車から投げられたものがほとんどだろう
土地柄
- 神保町:古書のページ切れ端。「大正七年」時代のものだったような
- 秋葉原:仮装用ネクタイ。クリップだけで首元に留められるタイプ
周囲の反応
- ランナーより声掛け
- 「お疲れさまです!」
- 「ありがとうございます!」
- 「すばらしい!」
- 「ずっとだと重くないですか?」→「はい!たまにごみ箱へ捨てます」
- わりと終盤 35kmくらいで「袋何個目ですか?コース最初のころから拾ってますよね」→ ちょっとびっくりした。たまたま序盤+この終盤で自分と近い位置におられたとのこと
- 沿道より(数名)
- 「すごーいごみ拾いながら走ってる」
番外編
- いきなり「いいことやってますね~」と声かけられ、「SNS投稿用の動画いいですか?」と聞かれスマートフォン撮影開始、気が付いたらInstagram投稿終わってました。すご。
- 少し並走して聞くと「京都出身、大阪マラソンを蹴って東京マラソンに来ました!”元取らなあかん”で楽しんでます」…立て板に水の自己紹介
- 後で調べるとアカウント名「走るおばさん」
補足:「路上のごみ」の前提
- 給水所・コース監察ボランティアとも、地点により、交通規制開始後~先頭ランナー通過開始の間にしばらく空白時間が発生することがある。活動によってはその間に「コースになる路上のごみを可能な範囲で拾う」が入っていた可能性がある。(今回は感染症対策で省略されたかも?)
- 上記活動が今回あったとすると、結局、ランナー通過前にあった路上のごみは、取り除かれていた(=今回のランで見た路上ごみは、すべてランナーが落としたもの)という可能性がある
参加前に調べたこと
プロギング型の参加はわりと直前(大会4-5日前)に決断。「ペースはどこまで落としてよいか?」「集めたごみはどうする?」「道具持参はOK?」…参加案内・競技規約をこれまでになく熟読することに
関門時刻
- 歩いたり立ち止まったりの道中になるため、それぞれの関門時刻(下図左の表)を意識する必要があった。もちろん、それぞれ引っかからずに通過したい
- 当日の実際:15-20kくらいまでで「拾いながら進む自分のペース」を把握でき、問題なく通過していけそうとわかった。トータルの制限時間(7時間)に対し5時間半でフィニッシュ
ごみ箱
- ランナー向け参加案内より:段ボールごみ箱が給水所にある。ボランティアスタッフへのごみ手渡しは不可(感染症対策)
- 当日の実際:給水所の大きな段ボールごみ箱へ、燃えるごみを入れてOK。ボランティアさんがそばにいれば一声かけた。ペットボトルや金属(缶など)はごみ箱対象外だが「そこへ置いておいてください」と対応してもらえた。感謝
トング
- 参加案内より:「危険性のある小道具」「凶器として使用される恐れのあるもの」に該当しないか。競技規約にもこれと同等の記載あり。またボランティア向け共通マニュアル(非公開)には「30cm以内」があった
- これらより「30cm以内」「危険物や"凶器として使用されるもの"に間違われないよう、金属部分を含むものを避ける」でいくことにした。無印良品の調理用シリコーン製トング(黒色 長さ約27cm)
- 当日の実際:
- スタートゲート手荷物検査での指摘はなく、問題なく入場できた
- コース上の審判員からは、ごみ拾いそのものの確認や指摘はなかった。30km過ぎあたりからはたまに「お疲れさまです」や、黙して一礼いただくこともあった
- ただし今回の結果をもって「トング=持ち込みOK」とは言い切れないなとも。見る人によっては危険と判断し「周囲への安全のため、止めてください」といわれる可能性はあるだろう。参加案内や競技規約の確認は大会ごとに必須、そして指摘があった場合は道具の使用を止める対応が必要と思われる
準備したもの
少し上に載せた写真を再掲。写真左上:当日のバッグパック(モンベル クロスランナーパック15)に準備していたもの
実際に使ったものは下記の通り:
ごみ袋(100円ショップ)
- 10Lを(結局約15枚)使ったけれど、8Lでも問題ない。(道中でどれだけ拾うかによるけれど)逆に、20Lなど大きな袋は、あれこれ入れだすと重くなるだろう
- 「持ち手つき」が楽:無い袋でももちろん用途は果たすが、片手で長時間掴み+走るため、握力の面でしんどくなったのではと想像
- すぐ使えるよう前準備:買った「35枚入」袋をバッグに詰めるとき、数枚だけは適当に広げ、バッグパック上部からすぐ取り出せるように詰めておいた。この前準備がとても役立った
- 実際に走ってみると「ごみを捨てた」→「次のごみ袋を取り出す」のステップが億劫で、背中ごしにすぐ取り出せるようにしておいて大正解
手袋(100円ショップ)
- ポリエチレン製の薄い手袋。拾ったものにより手が汚れたり濡れたりは想定でき、また感染症対策にもなった。100枚入を準備していたけれど、交換したのは5-6回だったと思う
トング(無印良品で数百円)
- 前述の通り
まとめると(バッグパックを除けば)千円以内で済んだことになる。お手頃社会貢献
参考にしたページ
※それぞれ公開された情報。URLは閲覧した当時のもので、本稿を書いている現在(大会終了後、)「東京マラソン2023」サイトへリダイレクトされるページが多い
おまけ写真集:ランナー視点での風景
久々開催の東京マラソンにランナーとして参加したのもあり、その視点で印象に残った風景を何枚か